敵は俺の部屋のどこかに潜んでいる……。短編小説『死刑囚に怯える死刑執行官』

「おい、どこに消えた。オマエの死刑はもう確定してんだぞ」
 自分の部屋を徘徊する俺は、敵に向かって死の宣告を発した。
 敵は沈黙を守っている。
 俺はわずかな音も聞き逃すまいと、耳をすませ精神を集中させる。
 どこか遠くのほうで救急車のサイレンの音が鳴っている。
 風の吹く音も聞こえる。
 そして、
 
 
 カサッ
 

「そこか!」
 俺は見逃さなかった。
 テレビ台の裏側から異様なスピードで飛び出した黒い影を。
 否、体そのものが影のように黒い。
 というか、黒光りしている。
「死刑執行おおおおおぉぉぉ!!」
 

「兄ちゃんうるさいんだけど」
 隣の部屋の妹が文句を言いにやって来た。
 が、
「ぎゃあああああぁぁぁ!?」
 部屋の中央付近で息絶えているGブリを目にして悲鳴をあげた。
 殺虫剤を片手に俺はため息をついたのだった。
 やれやれ。
 

※あとがき
『彼の死刑囚』というお題で書いた即興小説を加筆修正した作品です。
Gブリ……なんでいつも突如登場するんでしょうね(ガタガタ)
 

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