娘の誕生日に巷で大人気のロボットを買ってあげたよ。短編小説『アルパカロボ』

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arupakarobo

 我が家にアルパカがやってきた。
 と言っても、本物ではない。
 ロボットだ。
 五歳になる娘の誕生日プレゼントに僕が買ってあげた。
 
 

 一見するとモフモフしている白い体毛の内側では、精巧な作りの内部フレームが組まれている。
 アルパカのリアルな動きを表現するために可動域は広く確保されていて、リアルなアルパカを再現できているんだとか。
 
 

 まぁ、内部フレームやら可動域なんていうことは僕にはどうでもいい。
 娘が喜んでくれれば。
 で、その娘はというと、
 

「ありゅぱかー」
 

 モフモフとした毛並みを触ってアルパカロボとたわむれている。
 楽しそうで何よりだ。
 それにしても本当にリアルなロボットだな。
 試しに僕もアルパカロボの毛並みを触ってみたけど、感触もリアルだけど何より体温が伝わってきた。
 けれど、これはロボットだ。
 たぶん、内部で可動してるモーターだかバッテリーの熱が皮膚表面に伝わっている結果なのだと思うけど、それを体温だと思わせるとはユニークな発想だ。
 僕の知らない間に技術は進歩しているんだなぁ。
 ちなみにこのアルパカロボ、凄い人気で買うのに苦労した。
 ネット通販はどこも売り切れで、僕は結局家電量販店で買った。整理券をもらって行列に並んでね。
  

 娘がアルパカロボと戯れているのを眺めるのにも飽きたんでテレビを付けた。
 すると、驚いたことに僕が買ったアルパカロボが特集されていた。
 
 

『申し訳ございませんでした……!』
 
 

 アルパカロボがちらりと映ったかと思ったら、次の瞬間には記者会見で社長クラスの重役らしき人物が頭を下げて謝罪していた。
 穏やかじゃないな。どうしたんだよ……。
 ニュースのテロップを読んでみる。
 
 
 

『アルパカロボに本物のアルパカが混入、出荷されていた』
 
 
 

 ……え?
 ニュースを追っていると、アルパカロボは工場で作っているのかと思いきや、本物のアルパカがいる牧場で製作されているとのこと。
 リアルな動きを研究するために、ということだが、それが仇となった。
 給料に不満を持ったアルパカロボの研究員が、ホンモノのアルパカを混ぜて出荷させたのだ。
 なにせリアルさを極めた傑作だから、パッと見ただけでは本物と区別がつかない。
 
 
 どうすりゃいいんだよ……。 
 僕の疑問に応えるかのように、テレビの中で記者が重役に質問する。
 

『本物とロボットを見分ける方法はないんですか?』

『それは……ふ、』

『ふ?』

『ふ……フンをすれば、本物です』
 

 ……フンて。
 僕は娘が遊んでいるアルパカロボ(暫定)に目を向ける。
 ……ロボだよな、お前。
 そういえば、ロボにしては結構リアルな匂いというか臭いがあるような気がするけど……。
 

※あとがき
『生きているアルパカ』というお題を元にして書いた即興小説を加筆修正した作品です。
「生きている」なんてワードがくっ付いてるもんだからロボにしてさらに本物に戻すという荒業に出てしまったw
 

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