私は燃え盛る学生寮を呆然と眺めていた。短編小説『偉大な魔法使いになる方法』

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ryomoeru

 私は燃え盛る学生寮を呆然と眺めていた。

 赤々と輝く炎が夜空に向かって手を伸ばしているかのように立ち上っている。

 学生寮を燃やしてしまったのは、私。

「どうして、こんな……」
 

       *  
 

 私は魔法学校の二回生。
 学校生活は勉学については問題も不満も不安もなかった。
 座学はもちろん、魔法実技のほうは飛び級できるのではと教師から褒められたぐらい。
 友人は、一回生の頃からお世話になっているアリシア先輩、それと一回生の後輩のクエがいる。
 アリシア先輩は私など到底叶わないほどに優秀で、一回生の頃はよく放課後に魔法実技をみてもらった。
 クエは昔、アリシア先輩の実家の近くに住んでいたとかで、入学して早々に私とアリシア先輩の輪の中に溶け込んでいた。
 私たちは共に昼食を取るのが習慣になっていた。

「アリシア先輩ぃ、この問題分かんないですけど~」

「どれどれ、ははあん、クエはまんまと教師の罠にはまってるね。君が書いた術式では、たとえ千年かかってもこの問題は解けないよ」

「えぇ!」

 アリシア先輩とクエが楽しそうに談笑しているのを、私は見つめていた。
 去年までは、アリシア先輩と私だけだったのに。
 私が、アリシア先輩と話していたのに。
 

       *
 

 私はクエが嫌い。
 クエに嫉妬すればするほど、不思議と魔法の力が高まっていった。
 とりわけ炎系統の魔法はその威力を増していった。
 なぜだろう。
 有り余った魔力を持て余し、私はよく演習場でひとり魔法の練習に励んでいた。
 その日も、いつものように鬱憤を晴らすために魔法を放っていた。

 クエが住む寮は、演習場からそう遠くない場所にある。
 演習場の壁面は結界も兼ねていて、普通ならば魔法が当たっても受け止め霧散させる。
 けど。
 
 どういうわけか私の放った火球は演習場の壁面を貫き、後輩が住む寮に着弾。
 すぐさま炎上し、あっという間に寮は火の海と化した。
 

       *
 

 そして、今に至る。
 私の隣にはアリシア先輩が立っている。

「まさか結界を破ってしまうなんて……」

「君が気にすることではないよ。結界を貫いてしまうなど、普通は考えられない」

「アリシア先輩……でも、学生寮のみんなは……クエは……」

「……生徒達は、ダメだったようだ」

「…………!」

「だが演習場で魔法を放つことは何の違反でもない。君は、何も悪くないし咎められることもないさ。君の放った魔法が、学校側も想定していないほどに絶大だったというだけのことだよ。もし君を責める者がいようものなら、わたしが守るよ」

「アリシア先輩……」

「君が偉大な魔法使いということさ」

「…………」

 ……フフフ。
 あれ。
 なんでだろ。
 笑いがこみあげてきちゃう。
 酷いことしたはずなのに。
 アリシア先輩に気付かれないようにしないと。
 

※あとがき
『燃える嫉妬』というお題を元にして書いた即興小説を、加筆修正した作品です。
文字通り燃やしてやりましたw

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