どうしてこうなった!短編小説『神様もテンプレがお好き』

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「ううむ」

 ひとりの男が頭を抱えていた。

「どうにも凡人っぽさが抜けん。これでは他の連中に笑われてしまうぞ……」

 己の非凡なセンスに男は苛立つ。

「腐っていても始まらん。とりあえずヤツめを動かしながら決めるとするか……決まればいいなぁ」

 男は弱気だった。
  

       *
    

「終わったあああああああぁぁぁ!!」

 タケルは咆哮した。
 明け方、自分の部屋で拳を突き上げるタケルの姿は、どう見る角度を変えてもやかましいの一言だった。
 けれど今日のところは大目に見てあげてほしい。
 なにせ……

「三十一日に一挙まとめて宿題片付けるとか俺ってやっぱ天才だわ~」

 徹夜で夏休みの宿題を終わらせたのだから。
 天才だとか調子に乗ってるところは、そういうキャラだということでこれもまた勘弁……できないかもしれない。
 正確に言うとすでに日付は変わって九月一日で、時刻は午前六時過ぎ。
 ここで寝てしまうと眠りは深くなり、遅刻まっしぐらコースなのだが、

「おやすみー」

 彼は躊躇なくベッドにダイブした。
 二学期初日、彼は昼登校して担任に叱られたのだった。

 
 
 

 中学二年の二学期という緊張感の欠片もなさそうな期間、タケルの日常はその例に漏れず緊張感の欠片もなかった。
 学校に行けば授業で安眠し、休み時間に覚醒して友達とだべり、学校が終わるとより元気になって家に帰ってゲーム三昧アニメ三昧。
 画面の中の嫁を愛でて平穏無事に過ごしている。

「はぁ、幸せだわぁ」

 録画したアニメを観ながら、タケルはスナック菓子をかじった。
 

       *
 

「イカン!」

 ひとりの男が叫んだ。

「ヤツめをひとまず動かしたはいいが、凡人っぽさがまるで抜けんぞ! どうしてヤツはもっとこう突拍子もない行動に出られんのだっ!」

 その「ヤツめ」を動かしているのは何を隠そうこの男なのだが、彼は自身の責任を棚に上げて好き勝手怒っている。

「突拍子もない行動……突拍子もない行動……」
 

       *
 

「このままでいいのかなぁ、俺……」

 タケルはアニメを観ながらひとりごちた。
 脳裏をよぎるのは幼馴染のエリカの顔。
 幼稚園の頃からずっと一緒で、いつの間にか好きになっていた。
 今でもそこそこ仲良くしてるけど、それだけ。
 というかここ最近は距離を置かれている。
 どう考えても二次元の嫁が原因なのだが、タケルはそれに気付いていなかった。

「このままで……いいわけねぇ!」

 タケルは立ち上がった。
 
 
 
 
「……俺、エリカのことが好きなんだ!」

「ふぇ!?」

 タケルはエリカに気持ちを伝えた。
 思い立ったら即行動がタケルである。
 あの後すぐさまエリカの家に向かい、玄関に現れたエリカに気持ちを伝えたのだ。

「その、いきなり、言われても……」

「じゃあアタシと付き合ってよタケル。あたし、タケルのこと好きなの!」

「あ!?」

「ふぇふぇ!?」

 いつの間にか背後にひとりの女子がいた。
 同じクラスのエマだ。

「ちょ、お前いきなり何言って――」

「お願い、アタシと付き合って!」

「ど、どうしよ……」

「ちょっと待ってよタケル! 今わたしに告白したばっかなのにどうして悩むのよ!」

「あ、いやちがっ」
 

       *
 

「まさかのハーレムルート突入だぜ! ……ってなんじゃこりゃ!!」

 男は溜息をついた。
 彼は神。
 彼が担当するのは地球で、今はひとりの少年の人生に手を貸して導くことに夢中になっている。
 ここ最近神々の間で流行っているのだ。
 そんなわけでタケルをどう生きさせるか試行錯誤しているのだけれど……
 
「……ハーレムとかテンプレ臭漂うじゃねえかよ。どうやっても凡人にしかならんなぁ」
 

※あとがき
『少年の凡人』というお題を元にして書いた即興小説を、加筆修正した作品です。
創作の世界において、ハーレムは凡人なのです。
リアルで成しえることなどないというのに…。
いや、リアルで成しえることがムリだから創作の世界で大量生産されたのかw
 

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