『終物語 下』感想

終物語 (下) (講談社BOX)

 

 

 

※ネタバレ注意

 

 

西尾維新さんの『終物語 下』を読了したので感想をば。

 

☆なんだかんだでめでたしめでたし


いつだったか八九寺が成仏したあたりで『あぁ、これから先もキャラが消滅なり死んだりするのかなぁ』と思ったりしたんですけど、下巻を読み終えてみて、それは杞憂だったなと。
八九寺が神様のポストに付いたり、扇ちゃんを忍野が認知することで存在させたりと、まるでパズルのピースがはまっていくかのようにきれいに終わっていたところに関心しきりでした。特に八九寺は、地獄で再会したとはいえ『再会したのにすぐお別れなのかぁ』と再会の喜び→お別れ近づく→地獄から引っ張ってきた→神様着任、という流れが上手いと思う。『いやぁ、実はどうにかなっちゃってましたー』というのではなくて、いくつか紆余曲折を経てどうにかしているところが。

 

☆ついに自分のために戦った阿良々木


扇の正体については明かされてみると「もはやこれしかない」という感じでしたけど、正体が明かされるまでの彼女の不気味な様のおかげでとても驚いたり。
そして今回は自分自身のために扇を消滅させる、と思いきや自分自身のために助ける阿良々木。最後まで彼は彼のままだったところに一安心。自己犠牲型のキャラのメッキを剥がしたとあったけれど、扇ちゃんを助けたことには変わりが無い。いくら扇ちゃんが自分だったとはいえ。
そこんところは、自己犠牲型キャラの進化版とでも僕は勝手に解釈してます。

 

☆西尾維新はいつから終わりを意識していたのか


僕は小説書きなのでやはり気になる。
西尾維新さんはいったい物語シリーズの終わりをいつから意識して書いていたのか、と。
少なくともメフィストに『ひたぎクラブ』を掲載した頃は絶対に意識してなかったと思うんです。というかここまで続くだなんて当時は思ってもみなかったでしょうし。
そう考えると、西尾さんは書きながら終わりを探してどこかの時点で見つけたということになりますよなぁ。
今回の扇ちゃんの騒動、蓋を開けてみればこれまでの物語のそこかしこから材料を見繕ってエピソードとして仕上げているようにも取れるけど、逆に今回の終わり方を最初に思いつきそこから遡って物語を構築することだって考えられる。あるいは、終わりを考えてそこに向かってパラシュートで降下するみたいに物語を紡いだのかもしれない(ていうかまだ『続終物語』があるのだけれど)。
こんなことを気にするのは、ここ最近自分の小説の書き方に疑問を持っているからなんですが…。
まあそこらへんは追々雑記として書くとして、ここで言いたいのは、たとえどんな方法で書かれたのであれ、今回の扇ちゃんをめぐる騒動はとても壮大な物語で、それをおそらく執筆していく中で考え完成させた西尾さんスゲェという小波感満載の感想というわけです。ちゃんちゃん。

 

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