剣を持つ手が震えてしまう……。短編小説『俺の剣が戦ってくれない』

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 剣を持つ手が震える。
 悪魔たちははもうすぐ目の前まで来ているというのに。
 ヤツらはもうすぐそこまで迫ってきている。なんていう獰猛な目をした連中だ。喰い殺される恐怖が俺を襲う。
 朦朧とする意識の中でも、俺は焦りに焦っている。
 だというのに、身体は休息を求めて動いてくれない。
 なんという矛盾。
 

 俺は戦っている。敵は二人の悪魔。
 戦況は圧倒的に奴らに分がある。
 このままでは負ける。
 だが、身体が言うことを利かない。意識は誰かに乗っ取られたかのように朦朧とし、腕は剣を持つだけで精一杯だ。
 そして俺は、剣を手放してしまった。
 

       *
 

 目が覚めた。眼前には参考書。
 時刻は深夜の二時半を回っている。
「あぁ……勉強してたんだった、俺」
 状況を認識する。寝落ちしてただけだった。
 今日はテストの前日。
 いや、正確には今日の朝にはもうテストが始まるのか。
 高校に入学してから初めての定期テストだというのに、俺は緊張感ゼロだった。いや、誘惑が多いのが悪いんだって。
 積みゲーやら積みプラやら……ね?
 参考書は開いてから随分と時間が経つが、いまだに清潔さを保っている。勉強開始してすぐに寝ちまったみたいだ……。
 俺が愕然としてる間も、時間は無常に経過していく。
「……勉強、すっか」
 俺は再び剣(ペン)を持って悪魔(テスト)に挑むべく勉強する。
 もう一人の悪魔(睡魔)と戦いながら……。
 

※あとがき
即興小説で『許せない悪魔』というお題で書いたものを加筆修正した作品です。
コイツらさえいなければ……と思う悪魔と言えば、やはりテストと睡魔だと僕は思います。
いやホント、学生時代は苦しめられました。今も睡魔には苦しめられてますけど……。
 

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