朝、鏡の前に立ったら幽霊がいたのだが。短編小説『そのうち幽霊に』

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 半ば条件反射的に目覚める。いつもの朝だ。
 布団から起き上がると、軽く眩暈がしたが気のせいということにしておく。
 重くだるい体を引きずるようにしながら部屋の中を歩く。
 顔を洗おうと洗面台の鏡を見やる。
 
 

 鏡に映っていたのは幽霊だった。
 
 

 顔色は青白く、瞳からは輝きが完全に失われ、未だ成仏できずにこの世とあの世の狭間を漂っているのだろうか。
「……なんてな」
 俺は嘆息すると、蛇口を捻って水で顔を洗う。
 せめて冷たい水を顔面に浴びせて、この幽霊みたいなツラをシャキッとさせねば。
 ひゃー冷てぇ。

       *

 社畜の朝は早い。
 そして夜は遅い。
 そんな日々を過ごしていると、毎朝のように鏡の前で幽霊(みたいな自分)と遭遇する羽目になる。
 そのうち、本当に幽体になっちまうんじゃないかと思わなくもない。
 

あとがき

『幽霊の正体』というお題を元にして書いた即興小説を、一部加筆修正した作品です。
笑えない小説ですな……。
実際、こういう生活を毎日送っている方はたくさんいるはず。
ブラック企業は本当に消えて欲しい。
……次はもっとこう夢のあるポワポワした小説を書きたいと思う(けど上手くいくかはわからないです)。
 

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