テスト勉強を強制されオタクグッズを姉に取り上げられた結果……。短編小説『姉弟コンバート』

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 学校から帰ってきたら、俺の部屋がきれいになっていた。
 フィギュアは消え失せ、アニメのポスターは剥がされ、本棚に陳列していたギャルゲーの箱もなくなっている。
「なっ……何が起こったんだ?」
「試験対策」
「うおぅ!?」
 いきなり背後から声がして俺はたじろいだ。
 振り向けばそこには俺の姉ちゃん、そして彼女のカナが立っていた。
 ちなみに「試験対策」とボソッと言ったのは姉ちゃんである。
「な、なんだよ試験対策って……意味わかんねえし」
「カナちゃんに相談されたんだよ。試験一週間前なのにアンタが変態趣味に走ってばっかで困ってるって。そこであたしの出番さ。アンタの部屋を浄化してあげたの。感謝してよ」
「感謝だぁ!?」
 だいたい変態趣味ってなんだよ。浄化ってなんだよ。
 失敬な。
「カイくん……」
 そこで彼女が俺の名をか細い声で呼んだ。
「おう……」
「お願いだから、勉強して。それで、いっしょの大学行こうよ。ね?」
 うるんだ目で見るんじゃない。
 反則だろうこれ。
 しばし黙考するフリをして、俺は答える。
「わかったよ。試験勉強に集中すりゃいいんだろ」

       *

 試験前の一週間、俺はアニメ鑑賞を始め、ギャルゲーのプレイから果てはAmazonでの買い物まで禁止された。
 なんという禁欲的生活……。
 え、何、俺って修行僧?
 当然のことながら、苦行以外の何者でもなかった。
 ヘビースモーカーが禁煙したときの苦しみに似ているかもしれない。
 煙草吸ったことないからわかんないけど。

       *

 試験が終わった。
 禁欲的生活の甲斐もあって、なかなかよくできたほうだと思う。
 苦手な英語も長文を読むのもすいすいいけた。
 やーよかったよかったー、と意気揚々と帰宅し、早速姉ちゃんが預かっている俺の宝具の数々(ギャルゲーとか)を取り返しにヤツの部屋へ向かう。
 ノックをすると「うっうー」という奇怪な返事が返ってきた。
 入っていいってことか?
 よくわからないけどドアを開けてみる。
 信じられない光景が眼前に広がる。
 姉ちゃんの部屋が完全にオタク部屋になっていた。
 いや、正確に言うならば先日までの俺の部屋の内装を姉ちゃんルームにコンバートさせたというべきか。
 そしてさらに目を疑う光景が……。
 

「姉ちゃん……何してんだよ」
「ギャルゲー」

 
 姉ちゃんはサクッと答え、PCの画面を睨んでいる。
 聞けばこの一週間の間、姉ちゃんは俺のあんなゲームやこんなゲームを興味本位でプレイし、見事にハマッてしまったという。
 たしかにストーリーが凝っているものも多いけれど、これはあまりにも予想外の展開である。
 いやそれよりも……
「あ、あのさー、全部俺のなんで返して……」
「アンタの大学受験が終わるまで預かっておく」
「おいおい待てよ!?」
 まだ高2の夏休み前なんだが……。
 俺が滂沱の涙を流したのは語るまでもない。
 

あとがき

『愛と欲望の克服』というお題を元にして書いた即興小説を、加筆修正した作品です。

なんかもう、これは悩まずスイスイ書けました(笑)

ほら、愛とか欲望あるでしょ?
 

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