まさかの小学一年からの告白にわたし(中三)は……。短編小説『冒険せよ少年』

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 中学三年、卒業式の日に、わたしは告白された。
 七歳の男の子に。

       *

「すっ……すきです、ケッコンしてくださいっ!!」
「!?」
 彼、秋人ことアキくんの告白は唐突で、予兆も前触れも前兆もなかった。
 卒業式の帰り、帰宅の途についていたわたしを彼は呼び止め「こんにちは!」と元気良く挨拶をし、そして元気良く告白をした。なんだそりゃ。
 どうもわたしのことを待っていたらしい。
 アキくんは近所の子で、会えば挨拶を交わすぐらいの仲だった。
 少なくともわたしはそう認識していた。
 けれど、アキくんの中でのわたしの位置づけは、相当に大切なポジションを与えていたようだ。

「えっとー……」
 どう答えたもんかなぁ、とわたしは答えあぐねていた。
 いや、答は決まってるけどね。
 否、だ。可哀想だけど。
 これから高校に入学するというのに、なんだって小学一年と付き合わなければならないのか。
 と、思ったのだけれど、
 
 
 
 

「ぼく、は……とってもスゴイ人になりますっ! だから、ケッコンしてくださいっ!!」
 
 
 
 

「……ほう」
 わたしの中で予定していた答が変容し始めていた。
 スゴイ人になる、か。
 いいね、そういうの。嫌いじゃない。
 というか大好きだ。
 わたしは、大ぼら吹きが大好きだ。
 小ざかしく後先考えるんじゃなくて、後先考えることなく大きなことを宣言し実行する。
 そういう男子をわたしは求めていた。男の子には、冒険してほしい。
 残念ながら同世代にそんな男の子はいなかった。
 けれど、幸か不幸か七歳年下の男の子がまさにわたしが求めていたタイプだった。
 しばし黙考した末、わたしは答を示す。
「小学校を卒業するまでに、わたしを驚かせるようなでっかいことをして。そしたらケッコンしてあげる」

       *

「――って、そんなことあったなー」
「あったなー、ってそれがなかったらわたしたち結婚してないんだけど!?」
 のほほんと答えるアキくん――旦那に、わたしは突っ込みを入れた。
 現在わたしは三十三歳。
 旦那、二十五歳――あのときの小学一年生だ。
 小学五年生でまさかの起業、そこからぐんぐん会社を成長させて今も会社は豆の木かよと言いたくなるぐらいに成長している。
「大ぼらだと思ったんだけどなー」
「でも君は、大ぼら大好きなんだろ?」
「うん、大好きっ」
 

あとがき

『秋の男の子』というお題を元にして書いた即興小説を、加筆修正した作品です。

って、実は即興小説の段階では『秋』というテーマを入れ忘れていたんですがね…。

最初は男の子の名前を秋人にする、と決めていたのに、いざ書き始めたら夢中になってすっかり秋人という名前をひたすら「彼」にしていたという。

制限時間ギリギリだったからなぁ。

そういえばいつの間にか秋もすっかり終わって師走ですなぁ。

時の流れの早さに最近ビビってる僕です。

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