入った食堂で店主が出したものが凄かった。短編小説『調達は機関銃で』

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 腹が減ったので、僕は商店街にある食堂に入った。
 店に客は誰もいなかった。
 年老いた店主が吸うタバコの紫煙がふわふわと店内に漂っている。
 トンカツ定食を頼んだらないと言われ、しょうが焼き定食を頼んだがそれもないと店主に言われた。
 じゃあ何ならあるというんだ。
 そう僕が訊ねると、店主は不敵な笑みを浮かべる。
「これだよ」
 
 
 
 

 店主がカウンターの上に載せたのは、機関銃だった。
 
 
 
 

「そこの扉を開ければ食材がうようよ動いてる。そいつらをこの機関銃でもってやっつけて調達してこい。俺が料理してやっから」
「マジすか!」
 僕は意気揚々と機関銃を手にして扉を開け放った。
 そこはシマウマが、キリンが、ライオンが、チーターが生息するサバンナのようなところだった。
 シマウマの群が遠くに窺える。
 僕はゆっくりと歩幅を進め、シマウマに接近したのだった。

       *

「なーんて食堂があったらいいなぁ」
「お兄ちゃん、銃オタで本物撃ってみたい気持ちはもうわかったら、早くご飯食べてよ」
 晩ごはんを作った妹が頬を膨らませていた。
 心躍る空想の食堂を一旦忘れ、僕は本物の食卓に並べられたごはんを食べる。
 うん、うまい。
 

あとがき

『頭の中の食堂』というお題を元にして書いた即興小説を、加筆修正した作品です。

食材を自然から調達して調理するっていう無人島的な生活にちょっと憧れたりします(←カップ麺喰いつつ)。

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