※ネタバレ注意
『クズが聖剣拾った結果 (3) (電撃文庫)』を読了したので感想をば。
毒島さん登場!
まさかの毒島さん登場にビックリしました。
ちなみに読み方は「ぶすじま」ですw未だかつてこれほど酷いネーミングはあっただろうか。
一回聞いたら忘れない名前ですな。
記憶が定かではないんですけど、たしか1巻で苅羽の過去エピソードで名前だけ登場したと思います。
苅羽が好意を抱いていたのは鈴木さんで、いっしょにいた毒島さんではなかったのに、毒島さんが苅羽を振ったという。それもクラスメイトたちの前で。苅羽のトラウマ。
そんな毒島さんが登場、しかもめちゃくちゃ可愛いという。
しかし毒島さんが実は異世界の住人で、しかも頭脳明晰の研究者であることが発覚。
スマホからユニコーンが飛び出すわ炎の魔法が飛び出してパソコンが燃えるわで大変なことに。
展開自体はそこまで意表を突くようなものはありませんでしたけど、相変わらずの軽快なキャラの会話劇は読んでいて本当に楽しかったです。
人生における方向転換
今回はテーマが良かったと思います。
毒島さんは自分に魔法の才能がないと知り、研究者への道へシフトした。
それはそれで大変な道で、周囲からの心ない言葉にも晒されてしまったけれど、毒島さんは研究者の道を突き進む。魔法の才能はないけれど、研究者としてなら光明を見いだしたから。
これ、人生における方向転換のことを指していますよね。
社会人なら、ある職業に就いたはいいけど自分には向いていないと感じ、さあどうするか。転職するか。
学生で例えるなら、バスケ部に入部したはいいけど一向にレギュラーになれず落ち込み、また別の部活に入り直してみるか。みたいな。そんな感じですね。
こういう方向転換をするにあたって、「じゃあ今やっていることは諦めてしまうのか」という見方と、「そうか。頑張れよ」と前向きに捉えるのは、どちらが正しいのか。状況にもよるでしょうけど、これって本当に悩みどころですよね。
今回の場合は後者で、苅羽は別の道を模索した毒島さんを前向きに捉えています。
諦めようが何だろうが、模索したということは動いたということ。動きを止めず、人生を頑張っているのだから、いいじゃないか。と。
僕はこれまでは「諦めちゃうの?」という側の人間だったんですけど、この3巻を読んでからは見方が変わりましたね。
冗談抜きで、進路に悩んでいる学生さんや、職を変えようかどうしようかと考え中の社会人にも読んで欲しいです。
▼合わせて読みたい記事