※ネタバレ注意
どうもお疲れ様、カカオ(@kudoshin06s)です。
『冴えない彼女の育て方7』を読了したので感想をば。
上げて、落として…物語の展開がアクロバットです
久々の衝撃&感動作でした、冴えカノ7巻。
7巻発売当初、TwitterのTLが7巻絶賛の嵐だったのは未だに記憶してるんですけど(まあ僕がフォローしてる方々の大半が僕と似たような趣味の人なのでw)、絶賛するわけですよ。スゴい作品でした。
加藤の重要さに気づいた倫也が猛烈な勢いで企画を作って加藤と仲直りし(このとき加藤が涙したのがまた衝撃的だった)、かと思ったら次に詩羽先輩から、朱音さんが携わる人気ゲームシリーズに自分と英梨々も関わるからサークルを離れることを告げられる。
上がったところで落としてきましたねぇ。
しかも落とし方が残酷で衝撃。スゴいですわ…。
そしてラストの加藤の登場は、正直言ってしまうと思い切り想定内でしたけど、それでよかったと思う。
むしろ、加藤がショートボブで探偵坂に登場してくれないと、僕たち読者はこのまま倫也と共にどん底まで落ちちゃうよ…と思っていたので。
英梨々はクリエイターの話をしていて、加藤は感情の話をしていて
7巻で僕が1番感動し、興味を惹かれたのが第六・五章の加藤と英梨々の会話です。
英梨々が倫也のサークルを出て行くことを、加藤は理解できない。
それを伝えたわけだけれど、英梨々のほうはクリエイターの話だからと切り返す。
ふたりが理解し合いたいのに理解できない様が胸に刺さります…。
英梨々が「倫也が悲しむのを見たくなかった」と言ったら加藤が倫也が悲しむのをわかってたんだ、と返したのを読んだときにはもうなんか、言葉が出なかった。加藤がここまで尖った返しをするなんて…。
最後に加藤が涙ながらに英梨々のやっていることはちがうと訴えていたシーン…アカン、僕も涙が…。
これって誰も間違っちゃいないところがスゴいんですよね。
英梨々はクリエイターとして正しい判断をしたと思うし、じゃあ加藤が甘っちょろいことを言っているのかというと、仲間意識という視点に立てば加藤の方が正しい。
いや待て元をたどれば倫也が積極的に英梨々に絵を描かせようとしなかったからじゃね?
と考えそうにもなってしまうけれど、倫也は英梨々を大切にしていたわけで、それも決してまちがっちゃいない。
詩羽先輩もまた同様で、英梨々といっしょに仕事がしたい、英梨々の絵をこれからも見ていきたいというクリエイターとして、そしてファンとしての気持ちはまちがってなどいない。
各々の、ほんのわずかなすれ違い、なんですよなぁ…。
そんな格キャラの思いと願いが複雑に絡まった状態をこうして物語にできる作家さんの技量にアッパレです。
余談ですけど、このレビューを書くに二時間近くもかかってしまいました。
普段はだいたい20分程度なんですけどね。
いやホント、色々考えさせられましたわ。うん。
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