『ナミヤ雑貨店の奇蹟』感想

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※ネタバレ注意

東野圭吾さんの『ナミヤ雑貨店の奇蹟 (角川文庫)』を読了したので感想をば。

時間軸を越えたお悩み相談

三人の泥棒が夜を明かすため、廃屋同然の雑貨屋に忍び込んだ。

廃屋同然の雑貨屋に忍び込んだ泥棒三人。しかしそこは無人だったのだ。そしてなぜかドアを閉めている限りは時の流れが外とは変わる(感覚的には精神と時の部屋みたいな感じ)。

雑貨屋はお悩み相談をしていた。

その雑貨屋は随分昔、店主の男が悩み相談をしていて、マスコミに取り上げられるほど話題にもなった。けれどそれはもう随分昔の話。

けれど、どういうわけか店のシャッターから悩み相談が書かれた手紙が投げ込まれる。

それは過去の時代から来ていた。三人は怪訝に思いつつも中の手紙を読み、不器用ながらも悩み相談に答えていく。


以下はネタバレ盛りだくさんな内容なので、まだ読んでない人は撤退しよう!

読んだ人は僕の好き勝手な考察にお付き合いしていただけると幸いですw

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『ナミヤ雑貨店の奇蹟』はいいぞ。

さっすが東野さん…。

全てのエピソード、登場人物、舞台に至るまでが何らかの形で繋がっていて、最後には泥棒3人を改心させるにまで至ったことに、作者の力量を感じた。さすが東野さん。キングオブストーリーテラー。
小説を書いている僕としては、脱帽の一言。

ひとりひとりの心情も細かく丁寧に。

オリンピック娘の話は葛藤の辛さが伝わってきましたし、魚屋ミュージシャンのエピソードはほろりときました。オリンピックの娘が再度登場したかと思えば、白紙の手紙の返事のときには「うわっ、そうきたか!」と思いましたねぇ。

単純に物語の構造がよくできているというだけでなく、数多くいる登場人物ひとりひとりの心情も細かく丁寧に描かれていました。

心温まるエピソードが欲しい方にオススメ!

今年はまだ始まったばかりですが、早くも今年読んだ本の中でもベスト10候補を見つけた気がします。

単純に心温まるエピソードに収まっていない凄さ、けれどもちろん心も暖めてくれる。

そんな作品でした。オススメです。

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