『オレと彼女の萌えよペン』感想

2 min

※ネタバレ注意

村上凛さんの『オレと彼女の萌えよペン』を読了したので感想を書きたいと思います。

漫画家の物語

バトルマンガ好きの主人公、君島泉が出版社に漫画家を持ち込んだのを発端として物語が始まる。

編集者に生駒アギトという美少女漫画家のアシスタントをやるようすすめられ、泉は人生初のプロ漫画家のアシスタントをやることに。

生駒は主人公と同い年で性格にやや難ありでエロゲーが好きで巨乳が好きで、別のアシスタントも美少女で~。
みたいな具合。

ラノベ業界を舞台にした話はいくつか読んできたけど、漫画家の業界の話を読むのは僕は初めてで、ちょっとわからない描写もあったけれど、軽快なノリと勢いと笑いでそういったことも気にならず楽しめた。

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厳しい現実にしっかりと踏み込んでる

美少女と部屋で二人っきりで作業するとか、エロゲーしちゃうとかそういう描写もあるけれど、漫画業界の厳しい現実にもしっかりと向き合い、そして踏み込んでいるところに好感を持ちました。

連載の打ち切り、打ち切られた漫画家の編集部内での扱い、いつ収入が途絶えるかもわからない世界。

とりわけ生駒の母が収入面について主人公たちに切り込んでくるシーンはかなり重く、表紙の可愛いイラストからは想像もできない展開でした。

泉がどんなに生駒の漫画を絶賛しても生駒の母は収入と将来について展望が見えない漫画家を否定する。

うん、これはもうお母さんが正しい。

こういう正しさ、正論をしっかり描いているところにも、僕は筆者に好感を持ちました。甘い世界でないことがひしひしと伝わってきます。

そして泉が出した答は……うーん、想像を超えない展開ではありましたな……。でも泉の答によって生駒との距離も縮まったとも思うし、これでよかったと感じています。

登場人物たちがキャラにこだわっているのと同様に

物語中、泉や生駒がキャラにこだわっているけれど、そんな生駒や泉、エミリなどもキャラがしっかりと立っていたと思う。

とくにエミリはしたたかさを露わするなどの演出もあって深みが増していたと思うし、生駒も母との衝突などもあってただの強気な女の子に収まっていない弱みをしっかりと見せている。

主人公の泉にもう少し背景があってもよかったかなとは思う。

小学校時代に仲違いになったみなせがその背景となるキーだったけれど、割とアッサリ関係修復に至ってしまったし……。

まとめ

読みやすくて明るくて、勢いのある物語でした。

各キャラが努力している様がよく文章化されていましたし。

また、生駒の妹の幼い割に大人びた謎の態度やら、今後のみなせの活躍、新人賞作家たちも控えてと、続巻の備えもしっかりある(笑)

読んでいて楽しい気分にさせてくれた作品ですので、今後も応援します。

生駒とみなせの激突なんかがあれば面白いと思う。

あの2人は好みが正反対だから(笑)

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